今年の「建築界のノーベル賞」が日本人に決まった
- ブログ担当スタッフ
- 2019年5月27日
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建築界で最高の栄誉とされ、「建築界のノーベル賞」とも呼ばれるプリツカー賞の審査委員会は、今年の受賞者に日本人建築家の磯崎新氏(87)を選んだと発表した。 日本人の過去の受賞者は、丹下健三、槙文彦、安藤忠雄、妹島和世と西沢立衛、伊藤豊雄、坂茂氏たちで、磯崎氏は、坂氏が受賞した2014年以来の日本人受賞者となった。 世界では46人目で、日本人としては8人目の受賞者となる。授賞式は5月にフランス・パリで行われ、賞金10万ドル(約1100万円)とブロンズのメダルが授与される、とのこと。
上記のプリツカー賞は、アメリカのハイアット財団が主催する建築賞で、同財団の審査委員会は、このたびの磯崎氏の受賞理由について「現代の建築界で最も影響力のある人物の一人であり、変化や新たなアイデアに挑戦することを恐れず探求し続けてきた。作品は建築にとどまらず、哲学、歴史、理論、文化への深い造詣に基づいている。模写やコラージュではなく、新たな道を切り開いて東洋と西洋(の建築)を結びつけた」としている。 また今年の審査委員長を務めたスティーブン・ブライアー米最高裁判事においては「(磯崎氏は)建築分野で長きにわたる伝統を持つ地域がその伝統にとらわれるのではなく、世界の他の地域から学びつつその伝統を広めていこうと長年にわたって取り組んできた」と述べている、とのこと。 このたびプリツカー賞を受賞した磯崎さんは、東京大学工学部建築学科を卒業後、「丹下健三研究室」を経て独立し、1963(昭和38)年「磯崎新建築アトリエ」を設立。「大分県立大分図書館(現アートプラザ)」(大分県大分市)や「福岡相互銀行(現西日本シティ銀行)本店」(福岡市)など個性的な建築を次々と発表してきた。 上記の米プリツカー賞の授与式が、パリ近郊のベルサイユ宮殿で開かれたが、受賞者の磯崎氏は演説で「建築の意味が広がる転換期に受賞し、感無量だ」と語ったとのこと。
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